バー物語(フィクション)№164
多くのお客様がこの震災でひどい目にあわれた。生真面目そうな内山さんは西宮から堺に引っ越された。それなのに毎晩のように来て下さった。必ず長い棒状の袋を持って。
「内山さん、いつも持ってこられるその袋には何が入ってるんですか?」
「ああ、これ。M16です。マスターご存知?え?知らない。やだなー。M16はアメリカ軍の小口径のアサルトライフルです。ゴルゴ13が使ってるでしょ。小柄な人でも扱いやすいように造ってあるんですよ。このM16が世界中のアサルトライフルの歴史を変えたとも言えるんですよ」
内山さんはとってもかしこい人なんだろう。いつも一つ一つの説明が具体的かつ、丁寧だ。が、
「で、本当の中身は何ですか」
「竹刀です。木刀を持ち歩きたいのですがおまわりさんに何か言われるのも…」
「竹刀を持ち歩くのもどうかと思いますが…」
「昔やってた剣道をまたしようかと思って」
内山さんはほとんど深夜まで飲まれていてタクシーで堺まで帰られた。竹刀が入った袋を片手に持って。
「内山さん、いつも持ってこられるその袋には何が入ってるんですか?」
「ああ、これ。M16です。マスターご存知?え?知らない。やだなー。M16はアメリカ軍の小口径のアサルトライフルです。ゴルゴ13が使ってるでしょ。小柄な人でも扱いやすいように造ってあるんですよ。このM16が世界中のアサルトライフルの歴史を変えたとも言えるんですよ」
内山さんはとってもかしこい人なんだろう。いつも一つ一つの説明が具体的かつ、丁寧だ。が、
「で、本当の中身は何ですか」
「竹刀です。木刀を持ち歩きたいのですがおまわりさんに何か言われるのも…」
「竹刀を持ち歩くのもどうかと思いますが…」
「昔やってた剣道をまたしようかと思って」
内山さんはほとんど深夜まで飲まれていてタクシーで堺まで帰られた。竹刀が入った袋を片手に持って。
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