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バー物語(フィクション)№81

 神亀の大吟醸は確か…。
 次の日の昼過ぎに私は姫路の千石茶屋に電話した。千石茶屋は居酒屋、いや、日本料理屋、割烹?和食を出しているのだがどのジャンルに入るのかわからない。めっぽううまい料理を提供し続けている。そこの大将は私と同い年。3年前に中国のタクラマカン砂漠を一緒に横断した仲間だ。トラブル続きの旅で死をも覚悟した。
 「小嶋さん、確かそちらにひこ孫あったよね」
 神亀の大吟醸はひこ孫という。喧嘩好き君はひこ孫の名前を隠していた。知らなかったのかもしれない。
 「いやー、泉さん、ひさしぶり。どうしたったん。ひこ孫あるよ。いるん?」
 いるのと訊ねてくれたら話は早い。
 「ほしいんだ。2本分けてもらえる?」
 「いいけど、もっといいのが今入ってるよ。たとえば…」
 「いやいや、いいんだ。ひこ孫がほしい。今から取りに行っていいかな?」
 小嶋さんは快諾してくれた。今からこちらを出れば6時オープンまでに帰ってこれる。西宮と姫路、往復約4時間。千石茶屋では挨拶もそこそこに4合瓶の神亀の大吟醸=ひこ孫を2本わけてもらった。さて、どのグラスで出そうかな。他の日本酒のように1合でお出しするわけにはいかないだろう。なにせ高額商品。そうか、シェリーのグラスを使おうかな。シェリーのグラスを使って90CCで出そう。いろいろ考えながら帰路についた。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

KANADEHON忠臣蔵(県立芸文センター)

 兵庫県立芸術文化センター、1月28日から2月3日まで中ホールで公演されています。例によって私は、芝居に関してはど素人。簡単な感想文を。多くのファンをもって、あまりにも有名な赤穂浪士事件をどのように切っていくのか大変楽しみに見させていただきました。テーマはあだ討ちですがこのKANADEHON忠臣蔵の大事な部分を受け持つのがお軽と勘平の悲恋。この悲恋はあだ討ちにまきこまれ、また恋とは対称の位置にある義の世界に通じてしまう。お軽と勘平の存在が赤穂浪士事件をより立体的に、身近にさせていく。うまいなー。加納幸和さんの芝居と演出に大きな拍手を贈りたいと思います。また、渡辺徹さんをまじえたピッコロ劇団の皆様、大変面白く観させていただきました。特に森万紀さんの演技はチャーミングだったなー。機会があればまた観に行きたいですね。  

テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

バー物語(フィクション)№80

 神亀は埼玉県の老舗のお蔵さん。飲んだこともあった。
 「しんかめですか。あまり聞いた事ないですね」
 「うまいぜ。それがあったら毎日来てやってもいい」
 別に来てもらわなくてもいいんだが。しかし彼の反応と本当に毎日来るのか試したかった。
 「しんかめを買ってくればいいんですね」
 「いいや、神亀の大吟醸でないとだめだなー」
 「では、神亀の大吟醸をご用意させていただきます。お客さんのようにお酒に詳しい方が毎日来られたらこの店の評価も上がることでしょう」
 「ほほう、用意できるの?で、いつ?」
 「なんなら明日にでも」
 「あす?本当だな。買って来れなかったら?」
 「え?買って来れないって?銘柄がわかっているのに買えない事ってあるのですか」
 「マスターわかってないね。その酒はほとんど売っていないの。手に入りにくいの」
 「簡単ですよ。明日、かならず来てくださいよ」
 あてはあった。それに賭けた。

テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

パッシングマーク

 明日1月28日、東京競馬場第7レースにサクラサクを母に持つ我がパッシングマークが武豊を背に走ります。勝てば明日土曜日はシャンパーニュをプレゼント。合言葉は豊さんありがとうです。

テーマ : 競馬予想
ジャンル : ギャンブル

バー物語(フィクション)№79

 彼はゆっくりした動作で煙草に火をつけた。その間となりに座っている連れの男は競馬新聞を読んでいた。喧嘩好き君はこちらを見ている。無関心を装う事にした。私はグラスを拭きだした。時々高くかざして曇りがないかどうか確認しながら。
 「マスターはどんな銘柄が好き?」
 じれたように彼は私に質問をした。
 「え?日本酒ですか」
 「いま、酒の話をしてるんだろ」
 くくく。本当に気が短いなぁ。私の尊敬する三宮の吟醸の計倉さんはうれしい時に飲む酒に勝てる酒はないと言い切っていた。でも好きな酒となると…。
 「岡山県の歓びの泉です」
 「知らんなぁ。どうして?」
 「私の名前は泉です。だから歓びの泉が好きなんです」
 少しあきれたような顔でこちらをながめている。彼の顔をじっと見て
 「お客さんのさっきおっしゃっていたとびきりおいしいお酒って」
 「関東の酒でね。いやー、マスターに言ってもわからないだろうね」
 「関東ですか。おんななかせなら存じ上げますが」
 「おんななかせねぇ。それは有名だわな」
 「黄桜とか?」
 「それは伏見だろ。日本酒も酒だろ。バーやってんならそれぐらいわかってろよ」
 「すみません」
 私は下を向いた。
 「マスター、神亀知ってる?」
 喧嘩好き君はうまそうに煙草をふかしながら銘柄をあかした。

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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