バー物語(フィクション)№63
一番左端の席にまさちゃんがニコニコ笑ってこちらを見ている。オールドパーをオーダーしたお客様もまさちゃんも私の焦りに気が付いていないようだった。よし、まさちゃんに吾妻寿司で箸を借りに行ってもらおう。
「まさちゃん」
「はぁーい。なぁーに」
「吾妻さんに行って割り箸をもらってきて」
「え?どうして?なんで割り箸がいるの?」
あぁ、どうしてまさちゃんは急いでいる時にそんな質問をするのかな。私は声をひそめてしかしきついニュアンスで彼女に言った。
「水割りを作るのに使うの」と。
「はぁーいぃ」
彼女は店を出てすぐに走り出した。ほっ。何とか時間稼ぎをしようっと。私は氷を割ったり冷蔵庫を開けたり閉めたりして格好をつけていた。
「はい。吾妻さんがこれ持って行ってって」
まさちゃんが半分息をはずませながら私に近づいてきて右手を伸ばした。あぁ、なんと。それは。吾妻の大将が焼酎のロックを作る時に使う、小さな泡だて器。大きすぎます。それではグラスと氷の間に入りません。
「いいから割り箸、もらって来い」
あーあ。お客様全員にマドラーがないのがばれてしまった。
「まさちゃん」
「はぁーい。なぁーに」
「吾妻さんに行って割り箸をもらってきて」
「え?どうして?なんで割り箸がいるの?」
あぁ、どうしてまさちゃんは急いでいる時にそんな質問をするのかな。私は声をひそめてしかしきついニュアンスで彼女に言った。
「水割りを作るのに使うの」と。
「はぁーいぃ」
彼女は店を出てすぐに走り出した。ほっ。何とか時間稼ぎをしようっと。私は氷を割ったり冷蔵庫を開けたり閉めたりして格好をつけていた。
「はい。吾妻さんがこれ持って行ってって」
まさちゃんが半分息をはずませながら私に近づいてきて右手を伸ばした。あぁ、なんと。それは。吾妻の大将が焼酎のロックを作る時に使う、小さな泡だて器。大きすぎます。それではグラスと氷の間に入りません。
「いいから割り箸、もらって来い」
あーあ。お客様全員にマドラーがないのがばれてしまった。
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