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賛・焼鳥こにし・小西くんの思い出

「ひらがなです。屋号は『焼鳥こにし』と言います」
 2013年11月30日、小西くんが報告したいことがあると、TOPWINに来た。夕方4時45分である。

 小西くんを最初に見たのは、東灘にある「大宗商店」である。2005年くらいであったろうか。彼はトレッドロックスの髪型をしていた。大宗店主である藤枝氏は『いいやつなんで、仲よくしてやってください』と私に紹介した。
 そのうちTOPWINを手伝ってくれるようになり、2009年8月から「桜咲くころ」で働いてもらった。笑顔に魅力があり、お客様のうけも大変良かった。
 小西くんが入って3ヶ月後の12月にかわいい女性スタッフが入った。彼女は口内炎をよく患っていたので、食事療法をアドバイスした。3時のおやつに生きたビタミンCを毎日、摂取させると1年ほどで治った。
 そのうちに小西君はその女性スタッフに情を通じ、一緒に住むようになった。
 弊店は、スタッフ同士の恋愛はご法度であった。が、二人とも私にとってかわいいので、そのまま働いてもらうことにした。
 2010年から夙川のフレンチの名店「ル・べナトン」でお客様を交えてのランチ会をすることにした。小西くんたち二人の食のセンスは良いので、さらに奥深いフレンチの世界を知ってもらおうと思ったのである。それは彼らが辞めるまで毎月開催した。
 ル・ベナトンさんのランチ効果があったかどうかはわからないが、「桜咲くころ」の売り上げはみるみる伸びていった。お給料は歩合制にして、3回賃上げした。多い月で二人合わせて、額面90万円を超える時もあった。
 月に1回連休も与えた。小西くんがしんどいので何とかしてくれ、と私に言ったからである。
 小西くんは、友人の結婚式、還暦祝いと言っては、繁忙日の土曜日、日曜日に休んだ。私は、二人が気持ちよく働けるなら、それでよしと思った。
 
 2013年の3月に女性スタッフが、しんどいので辞めたいと言ってきた。6月までには辞めたいと。
 小西くんも同じく、しんどいので辞めたいと言ってきた。それを聞いた数時間後、大宗商店の藤枝氏が私に言った。
「小西くんたち、独立するんだってね」
「はー?しんどいから辞めると言ってたよ」
「いや、今日、『ぼくたち独立するために辞める』と店にわざわざ言いに来たよ」
 小西くんは遅くとも8月までには辞めたいと、その後、私の携帯にメールしてきた。私は5月をめどに二人とも辞めさせてあげようと思った。彼らは5月19日で辞める。

「場所は?」
「『桜咲くころ』の斜め向かいの3階です」

「桜咲くころ」
 店名にしてはユニークである。命名者は大宗商店の藤枝氏。由来は万膳利弘氏が、新しくお蔵を立ち上げた時の、杜氏の口癖による。その杜氏の名は宿里利幸氏。頑固一徹で、目の前の金に決して尻尾を振らない男の中の男である。
 その杜氏の口癖。
「桜、咲くころ、焼酎(そつ)はうまくなる」
 芋焼酎は秋に仕込んで、半年寝かして、春に飲むのが旨いという言葉である。
 弊店「桜咲くころ」は彼の言葉をいただいた。店の入り口左に、そのお言葉を載せさせていただいている。大宗さんが文を考えて書にしてくださった。
 万膳利弘氏、宿里利幸氏、藤枝肇氏の3人の友情は拙ブログ「万膳さんと大宗さん」をご覧いただきたい。

「桜咲くころ」の入り口の扉は、蔵の中扉である。また、カウンターは欅で、床の間の互い違いの棚。奥の変形テーブルは、階段の手摺。和室のテーブルは多分、東南アジア製。
 それらすべて、万膳さん、大宗さん、万膳さん知人の中川さん、そして私が熊本県の人吉の骨董品店に行って買い求めてきたものである。また、和室の竹の柵は、霧島山中にある万膳酒造の近くの竹やぶから、これも万膳さん、大宗さんと3人で鋸で切ってきた物。入り口の小さな蒸留器は万膳さんの大昔のものである。
 つまり、「桜咲くころ」は、3人の友情をもって立ち上がり、継続できている。そこから、亀五郎の川畑さん、龍宮の富田さん等の傑物にも繋がった。その熱い友情の輪にはチンピラは入り込めない。

「大宗さんは、小西くんを日陰の男にしたくないと言っていたのに…」
 私はシガリロに火をつけながら言った。
「西宮北口が好きなんです。ケンカを売るつもりはありません」
 小西くんは悪びれることもなく、胸を張って言う。
 大宗さんの言う日陰者とは、人に不義理を働いて陰口を言われるような男になってほしくないという意味である。飲食、美容院等、お客様相手の店で働いて、独立するときには、その店の近くで営業しない。迷惑をかけない。いわゆる、不文律というものである。
 小西くんはそれを100も承知で、「桜咲くころ」のほん近くで開店すると報告に来た。
「桜咲くころ」の前身、「やき焼き亭一勝」は3年間焼鳥の看板を上げなかった。それは向かいの焼鳥屋「あしだ」さんに気を使ったからである。自分以外の人に対する配慮、これは生きていく上で大切だと思う。
 
 私の許から独立した人間は数多い。夙川「ルパン」の高長くん、「おい店長」の桜井くん、阪神武庫川「いかぱんたこぱん」のひろしくん、西宮北口「バー・エール」のよしえさん、「ファイアー・バード」の末永くん、阪神打出にある「かわなか」の大地くん。
 みなさん、不義理はしなかった。そして、駅一つ離れているいても、独立しますが、と許可を求めてきた者もいる。だから、応援もできた。開店が決まって、報告だけに来たのは、小西くんただ一人である。
 が、しかし、配慮や義理の大切さ、優先順位を小西くんに教えきれなかったのは私の責任である。
 
 2012年7月にレジミスでカード払いのお客様から余分にお代金をいただいてしまう事件があった。現金払いで連絡の取れないお客様ならお返しすることが難しい。が、カード払いなら簡単に手続きが取れて正しい料金に訂正できる。
 その手続きのための連絡を小西くんにすると、以下の反論をもらった。
「泉さんお願いです。
僕らほんまにぎりぎりです。
正直そういう事だけ毎回毎回言われると本当にやる気がなくなります。
僕ら泉さんが何かして、どっか行って営業中いない時文句も言わず必死で仕事してますよ。
店の事毎日考えて毎日必死で売上あげようと努力してますよ?
泉さんの為に。
ミスは本当に申し訳ないです。
ごめんなさい。
ただここ最近なぜミスが多いか少しでもお考え頂けたでしょうか?
カード会社には僕が責任をもって一人で電話します。
その場合の差額が生じた場合は僕支払いますので。
前も言いましたけど本当に二人ボロボロです。
もう少し二人の事、アルバイトの事、店の事、考えて頂けないでしょうか?
切なるお願いです。
宜しくお願い致します」
 この時に大切なのは、お客様に対しての返金手続きである。忙しいから云々は、この場合第2位以下の問題である。この時に私が、小西くんに何が大切か、優先順位をきちんと教え、指導するべきであった。
 女性スタッフがしんどいのはわかる。小さいし体力も無さげである。現在、私は「桜咲くころ」と「TOPWIN=おでんでん」2店間を走り回っている。売り上げも小西くんの時と変わらない。私は今のところ元気いっぱいである。私の半分しか年のない20代の男がぎりぎり、ぼろぼろは到底理解できない。しかも、その間にソムリエスクールに通いソムリエ資格も取っている。
 優先順位といえば、かつて小西くんから聞いた話を思い出した。小西くんが以前働いていたバーのマスターに車の移動を頼まれた時、誤って車に傷をつけたらしい。黙って報告しなかったので、マスターにぼこぼこに殴られたという。暴力はダメだが、マスターの気持ちは理解できる。正直にぶつけました、と言えば何の問題もなかったはずである。
 もうひとつ優先順位。12月20日に大宗さんには開店案内の葉書が届いている。私には切手のない住所も書かれていない宛名のみの同じ内容の葉書が22日にポストに放り込まれていた。
 2日遅れ。常識以前の問題ではなかろうか。

 大宗さんは、「桜咲くころ」「TOP WIN」に卸している商品は、一切、小西くんには売らないと言ってたが、小西くんが今後、優先順位を違わず、男として、仁・義・礼をきっちり理解し行動できるようになった時、大宗さんかかえる魅力的なお酒すべてを小西くんに紹介してもらいたいし、万膳さんをはじめ、龍宮の富田さん、五郎の川畑さん、青一髪の久保さん、また、同業者として男気を感じる阪神御影「ふたえご」の桶田さんに改めて紹介したいと思う。
「この男こそが小西哲司です。よろしくおねがいいたします」と。
その日が来るのを楽しみに彼らを見守り、老後を過ごしたいと思っている。2013年12月25日 記

 その後追記①
 小西くんは11月30日に私に開店の連絡をした際、鶏肉は「桜咲くころ」と同じ肉を使わないと言った。それは、私が「人が苦労して見つけた鶏肉を簡単に何の苦労もなく使うのか?」と言ったからである。しかし、その後その鶏肉業者から連絡があった。焼鳥こにしに卸すと。
 私は「焼鳥こにしは商業道徳に反した出店である。一度、私のブログを見て判断していただきたい」とその鶏肉業者に言った。後日、業者から連絡があった。私の主張はもっともである。したがって焼鳥こにしには卸さないと。
 世の中は、話の分かる大人がいて良かったと、ホッとした。それにしても小西くんは自分の吐いた言葉に責任を持たないなー。

 その後追記②
 年末に私の最も尊敬するバーテンダーの市野氏に会いに行った。阪急王子公園駅の水道筋にあるPub Arthu De Rimbaudである。痛み止めを飲みながら市野氏は私を迎えてくださった。涙が出そうになる。ありがたい。
 その時に小西くんの話題が出た。
「小西くんはね、入院していたボクを見舞いに来てくれてね、その時にね、桜咲くころではね、休みがなくてね、しんどいです、ってね、言ってたよ。ウソだったんだね、お給料もたくさんもらっていたんだってね」
 そう市野氏は言って話を続ける。
「小西くんはね、ぼくにとってね、かわいいやつなんだよ…」
 小西くんは確かに誰からも好かれる。だが、雨に濡れた子犬が人間の足元で、くーんくーんと甘えるように、同情をひくためにウソを言ってはいけないと思う。そのウソによって悪人にされてしまう人間もいるわけである。

 その後の追記③
 本ブログにコメントとしてご批判をいただいた。
①二人だけの問題を長々とブログに書くなんて。
②お給料はオーナー納得で出したんでしょう?それを金額まで載せて。
③小西くんは少ないスタッフの数で大変頑張っていた。
④小西くんは素晴らしい接客だった。
⑤桜咲くころの良い思い出をこのブログで台無しになった。
 一つ一つ検証していきたいと思う。
①大宗さん、鶏肉屋さん、また個人的にふたえごさんを巻き込んでいる以上、二人だけの問題では決してありえない。今後、反省無き小西くんの態度によっては、万膳さん、富田さん、川畑さん等、さらに巻き込む人々は増えるでしょう。私はそれを危惧する。それに飲食、美容院等、サービスに係るお店の経営者にとって、今回の件は、対岸の火事ではすまされない。だからブログに書いた。だいたいブログが長い短いは批判の対象にならない。嫌なら読まなければよいだけである。
②ブログを読んでいただいたら、おわかりいただけると考える。私がお給料を払いすぎたとはどこにも書いていない。私にとって数字をオープンにして困ることは無く、困るのは労働条件が悪いと言い続けている小西くんのほうではなかろうか。
③現在もアルバイトの数は一緒か、小西くんの時より減っている。が、現在の私は少ない数で頑張っていると意識したことは無い。そんな感情を持つのは自己愛に満ちているナルシストの発想ではなかろうか。
④接客に関しては素晴らしいと思う。が、にこにこ顔の裏に何かを感じるという声も聞こえてるのは事実である。
⑤良い思い出を引き継ぎたい方、仁・義・礼を軽んじる方は焼鳥こにし行けば良いと思う。
 尚、匿名の反論コメントでしたので、ブログにそのコメントをアップしなかった。私は自分の立場をはっきりさせたブログに書いている。反論があるなら、実名でお願いいたします。必ず、アップいたします。
 

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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