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フィクション★ハタッチⅡその63

 水井は中畑と別れて最終に近い新幹線に乗った。投書をしたのは教え子の親。考えるほどに間違いないと思えてくる。生徒に、もしくは生徒の親に刺される様な指導者はやめたほうが良い。
『教員失格かぁ』
 新幹線の窓の闇に浮かぶ自分の顔。
『驕りすぎだな』 
 
 水井はその半年後に辞表を出す。3坪のバーを開店すべく。


                                   ハタッチⅡ完
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

フィクション★ハタッチⅡその62

「2学期早々、校長室に父兄が詰め寄ってくださった…。ワシの復職に向けての嘆願というか…」
「そうでしたね。それで?」
「その時、一人の生徒の親だけ、都合が悪いと出席しなかった…」
「それって、断言できます?」
「いや、断言出来ないし、決め手としても不完全」
「ですよねー。それで先生、どうしてそう思われるんですか?」
「ふっ。それがねー、ハタッチが言ってた子の条件にピッタンコ」
「どうピッタンコ?」
「よく泣いてたし、しかも一度、指導に対しての親からの苦情ももらったし」
「で?」
「私は、そんな苦情は無視。大学受験合格が目標の学校。でしょ?いちいち、親の意見聞いてたら、結果が出せないし、甘い指導で音楽が理解できるとは、言い換えるとピアノのテクニックを取得できるとは思えん」
「まー、そうでしょうね」

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フィクション★ハタッチⅡその61

 レッスンを嫌がっていた、よく泣いていた生徒。水井は中畑の推理通りだと思った。
「一人、心当たりあるよ。でも…」
「でも?なんです?」
「母親も普通にワシに接していたけどなぁ」
「で、どうしてその生徒と思うんですか」
「一つだけ…。一つだけひっかかりがある」
「ふむふむ。核心に近づいてきましたね。なんですか?それは」

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フィクション★ハタッチⅡその60

「先生のある門下生は、家で言うんです。『あー、もういや、ピアノなんてやめたい。水井のアホ。死ね』と。もしくは『レッスン辛いでちゅ』とシクシク泣いていたとか…」
「おいおい、それは…。ふっ。そんな生徒、たくさんいるだろうね」
「でしょ。それで、本人はそう言って欲求不満を解消しているのに、それを真に受けた親が…」
「つまりこうか?生徒自身が知らない所で父兄が動いたと?」
「はい。そう仮定するとつじつまが合うでしょ?そんな文句ばっかし言ってた生徒も、先生の復帰は喜んだ。どうでしょう?不思議ではないですよね」

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フィクション★ハタッチⅡその59

「それは…」
「はい…」
「それは、生徒の投書と決めつけてないか?」
「それしか、ないでしょ。で、先生。態度が…」
「みんなね、ワシが復帰して喜んでたよ。もし、投書に関係する生徒がいたら、不機嫌な態度をとったり、反抗的な行動に出ると思うけど。やっぱり教え子ではないんじゃー…」
「違います。教え子に間違いありません」
「腹立つぐらいの自信やな」
「俺はね、先生。必死で考えてたんですよ。それでもわからなかった。あきらめかけていたんです。水井先生を刺したヤツ。仕返しをしてやると、いつも思っていたんです」
「ふーん。で?」
「今日の昼、女の人、寿司屋の大将に怒って出て行ったでしょ」
「うん」
「何度も言いますが、水井先生が嫌いなら講師控室から出て行けば良いわけで…。それでピーンときたんです。刺したのは間違いない、先生の門下生です」
「でも、態度変わったヤツいないけどなー」
「先生」
「は?」
「こうは考えられないですか?」

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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